北方領土引き揚げ船 「返還運動つなぎたい」 乗船名簿を限定公開

 

北方領土引き揚げ船 「返還運動つなぎたい」 乗船名簿を限定公開

北方領土からの引き揚げ船「高倉山丸」の乗船名簿=本間浩昭撮影

 

北方領土引き揚げ船 「返還運動つなぎたい」 乗船名簿を限定公開

2025/05/25

終戦後、北方領土から樺太経由の引き揚げ船で函館港に帰還した元島民の「乗船名簿」が26日、札幌市内で元島民の家族らに限定公開される。名簿の閲覧は、高齢化が進む元島民から北方領土の返還要求運動のバトンを若い世代に託す一助になるのではないかと期待されている。

 

名簿は、1947~48年に函館港に入港した日本船延べ16隻に乗っていた約8800人分に上る。

 

歯舞群島・志発(しぼつ)島の元島民2世の三遊亭金八(本名・木村吉伸)さん(54)が、国立公文書館(東京都)に保管されていた名簿を見つけ、同島出身で千島歯舞居住者連盟関東支部長の児玉泰子さん(80)に相談してコピーで全体を入手した。

 

児玉さんは「引き揚げの事実を後世につなげるよすがとなる資料」と確信。連盟本部と相談し、関東支部の主催で26日の連盟総会後の閲覧会開催を計画した。名簿には個人情報が含まれるため、元島民や親族らに閲覧を限定する。

 

 今年3月に一家7人の名簿を受け取った色丹島出身の得能宏さん(91)は「名簿は茶色に変色して歴史を感じた。それぞれの家族の島での暮らしや引き揚げの歴史が詰まっていると思うと、感無量でした」と振り返る。

 

 得能さんは「名簿に手を触れた人が返還運動をつないでいこうという気持ちになってくれれば」と期待した。

 

 閲覧会は午後2~3時に札幌市中央区北3西7の北海道第2水産ビルで開催される。閲覧希望者は当日、会場で受け付ける。問い合わせは同連盟(011・205・6200)へ。【本間浩昭】