プラスチック微粒子、脳内に蓄積 腎臓や肝臓より7~30倍の濃度

 

 

2025/02/07 KYODO

プラスチック微粒子、脳内に蓄積 腎臓や肝臓より7~30倍の濃度

人体に取り込まれたプラスチック微粒子は、肝臓や腎臓よりも脳内に高濃度で蓄積される可能性があるとの研究結果を、米ニューメキシコ大のチームが7日までに、米医学誌ネイチャーメディシンに発表した。調べた遺体の脳には、腎臓や肝臓より7~30倍の濃度の微粒子が含まれていた。健康への影響は現時点では、不明点が多いとしている。

 

 

 

脳内で最も多く発見されたのは、レジ袋や洗剤容器などに広く使われるポリエチレンだった。微粒子はプラスチック製品が劣化して生じるため、環境中の微粒子の濃度が高まり、人体に取り込まれたとみられる。

 

研究共著者のマシュー・カンペン教授は「データに基づけば、脳の重量比で0.5%に相当する7グラムのプラスチックが存在するとみられる。標準的なプラ製スプーン1本分に相当する」と指摘している。

 

また認知症の人の脳からは、そうでない人よりも高濃度の微粒子が見つかった。因果関係は不明で、認知症を引き起こす可能性を示唆しているわけではないという。

 

 

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2024/03/20

人の血液からプラスチック微粒子 有害添加剤を国内初検出、農工大

 

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海岸清掃活動で集められた発泡スチロールのごみ=2020年12月、沖縄県石垣市

 

国内で複数の人から採取された血液に「ナノプラスチック」と呼ばれる直径千分の1ミリ以下の極めて小さなプラスチック粒子が含まれていることが、東京農工大の高田秀重教授らのグループの分析で、20日までに明らかになった。このうち1人を詳しく調べると血液や腎臓、肝臓などから、プラスチックに添加する紫外線吸収剤やポリ塩化ビフェニール(PCB)という有害化学物質も見つかった。

 

人の血液中のナノプラスチックはオランダで検出例があるが、国内では初めて。含まれる有害化学物質を同時に検出した報告は世界でこれまでなく、人体への蓄積の実態が示された。ナノプラスチックは広く環境中に存在し、粒径が大きなものと比べて体内に取り込まれやすく、生物への影響がより強いとされる。

 

高田教授は「プラスチックの微粒子が有害化学物質を体内に運び込んでいる」と指摘。検出量はわずかで直ちに影響が出るレベルではないとしつつ「摂取量が増えたり長期間蓄積したりすれば、生殖作用などに影響を与えることが懸念される」とした。