2023/02/27
オミクロン対応ワクチン、子も接種可に 経鼻インフルワクチンも了承
新型コロナウイルスのオミクロン株の「BA.5」に対応したワクチンについて、厚生労働省の専門家部会は27日、5~11歳を対象に使うことを了承した。これまではオミクロン株ワクチンは12歳以上しか使えなかった。注射ではなく鼻に噴射するタイプの季節性インフルエンザワクチンも新たに了承した。
了承されたコロナワクチンは、米ファイザー社製。従来のワクチンと同じ中国・武漢由来のウイルス株と、オミクロン株のBA.4、BA.5の両方に共通するmRNAを含む「2価ワクチン」と呼ばれる。
臨床試験の最終成績は得られていないものの、5~11歳への従来株のワクチンの反応や、成人のオミクロン株ワクチンの反応などから、5~11歳へのオミクロン株ワクチンも有効性が期待できるとした。安全性に重大な懸念の報告はないという。
インフルワクチンは「フルミスト」の製品名で、すでに欧米で使われている。生きたウイルスを弱毒化した「生ワクチン」と呼ばれるタイプ。英アストラゼネカ社の子会社から第一三共が開発・販売権を取得し、2016年6月に承認申請していた。対象は2~18歳。治験では発症予防効果が約29%、副反応として鼻水などがあったという。
ほかに、ジフテリア、破傷風、百日ぜき、ポリオ、インフルエンザ菌b型(ヒブ)の予防ができる5種混合ワクチンも国内で初めて了承。子宮頸(けい)がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を防ぐワクチンについて、現在は半年かけて3回となっている接種回数を2回としても十分な効果が得られると確認した。今後、別の分科会で2回にするかを決める。(市野塊)